相変わらず、成績は堂々の最下位。
100人中100番で私の定位置。
実習も勉強も、やる気はゼロ。
教科書を開いても頭に入らない。
「もうどうでもいいや…」そんな気持ちで毎日を過ごしていました。
なんとなく距離を取られ、何となく孤立していました。
当時の私は、看護師になりたいという熱意は全くなく、
ただ「流れでここに来ただけ」という思いが、心のどこかにあったのかもしれません。
そんなこんなで3年生になり、いよいよ国家試験の勉強が始まります。
でも、勉強には当たり前に打ち込むことはできず、
周りが真剣に過去問題に取り組んでいても、私はどこか他人事のようでした。

ある日、ふらっと入った図書館で
ところで、私は柄にもなく市の図書館に行くことが好きでした。
この日も何の気なしに、ぼーっと書棚の中を歩いていると、
ふと手に取った一冊の本。
題名も、著者も忘れてしまったけれど――
その内容が、私の中で何かを変えました。
それは、身体のしくみや働きを、ものすごくわかりやすく、
そして興味深く解説してくれている解剖生理の本だったのです。
「あれ?なんか面白いよ、これ」
「えっ、そういうことだったの!?」
今まで、バラバラだった知識が、パズルのピースみたいにハマっていく感覚。
理解できるって、こんなに楽しいことなんだと初めて思えました。
そして結果は…
そこからは、自分でも驚くほどスムーズに勉強が進んだと思います。
教科書を読むのが面白くなってくるという、一生ないと思っていたことが起きました。
まさに「解剖」「生理」「疾患」がつながった感じでした。
これらの解剖整理の秩序が、なんらかの原因により乱れることが、
疾患につながっていくということ。
ということが、ちょっとわかって嬉しくなりました。
そして次のテスト結果――
なんと、100人中8番!!!
目を疑いましたよ。私が?まさか?
でも、確かに名前の横に「8」という数字が並んでいました。
「できる自分」を初めて知りました。

あの一冊に出会っていなければ、
きっと私は今ここにいなかったと思います。
そんなにいい本なのに、なぜタイトルも著者も覚えてないのか、今でも悔やまれますが
きっと神様が「読め」と書棚に置いてくれたのかなと思っておきます(笑)
そして迎えた国家試験。
もちろん無事に――合格!
さらにもう一つ。国家試験が終わるや否や、私は当時の新発売
「ファイナルファンタジー7」を
どっぷり堪能しました!
いやぁー。楽しかった。
ここから、私の「看護師」としての人生が本格的に始まっていく。
でも、それはまた次回のお話。